昨夜のことがまるで夢のようでいまだに現実の出来事として受け止められないでいる、KDP界のラストランナー、如月恭介です。
さて、昨夜は評論家の栗原裕一郎さんと作家の朝倉かすみさんが司会を努められた「1979年—アイドル暗黒年の徒花たち」というイベントに一般参加してきました。年内最終勤務日だというのに昨日も夕刻までびっしりと働かされた社畜の僕は、体内エネルギーのおよそ80%を消費した後で都内某所へ向かったのです。
比較的こじんまりとした会場は20人強の人たちで埋まり、しばらくの歓談の後、イベントが開始されました。(歓談と言ってもそれは会場の皆さんのことであって、誰も知人のいない一般参加の僕が借りてきた猫のように小さく固まっていたのは、言うまでもありません)
とても楽しいイベントでした。栗原裕一郎さんのトークは知的で且つユーモラスで、一方の朝倉かすみさんは少しボケを入れた絶妙な返しをされていて、まったく飽きることのない2時間でした。
そしてイベントが終わり、宴会へと突入したわけですが、当然場違いの僕は一人椅子に座ってハイボールを片手に、日頃見ることの出来ぬ別世界の様子にただただその羨望の眼差しを向けて眺めていました。そしてお酒もずいぶん回ってきていい気持ちになり、そろそろ帰ろうとしたときでした。ある方が僕のそばにいらっしゃって、「もうお帰りですか? もう少し楽しんでいきましょうよ」と声をかけて下さったのです。なんとその方は、評論家の栗原裕一郎さんではないですか! あまりに恐縮してその場を脱兎の如く逃げ去ろうとした僕に、信じられない事案が勃発しました。
「どういうきっかけで?」と訊かれた僕が「朝倉先生のTwitterを読ませていただいていて・・・」と言うと、「じゃあ先生を紹介しましょう」と言って僕を朝倉さんのそばまで連れて行って下さったのです。しかし僕の驚きはそれだけじゃ済みませんでした。なんと、先生の横の席を指差し、「どうぞこちらへお座り下さい」と――
実はなにを話したのかまるで憶えていません。それでなくとも慢性アル中で記憶力が著しく欠如している上に、極度の緊張感。それでもはっきりと憶えていることがあります。それは朝倉さんの人となり、っていうやつです。5流の物書きの僕からすればそれこそ雲の上の方なわけですが、そんな驕りや慢心など微塵も感じることのない気さくな方で、僕はすっかりファンになってしまいました。しかし僕の驚きは、まだまだそれだけでは終わりませんでした。朝倉さんの近くに座っておられた紳士が僕に話しかけてこられたのです。なんと、作家であり教授の盛田隆二さんではないですか! そしてやはり盛田さんも、とても気さくで素晴らしい方でした。有益なお話をたくさん聞かせていただいたのですが、先にも申しましたとおり、すっかり忘れてしまいました。
申し訳ございません
でもいいんです。具体的な内容ははっきりとは憶えていませんが、とても大切なこと、そう、驚きと感動は今もはっきりと記憶にありますから。そしてそのおかげで、少し萎えていた文筆意欲もすっかり回復しました。しかし、頑張って書くぞ、と気合いを入れてキーボードを叩き始めた今日の午後、我がバカ娘が僕に悪態をついたのです。
いったいつになったら年賀状つくる気?
現実は厳しいな、と思いながらようやく裏面を印刷し終えて、今は少しホッとしたところです。そして一息つくと、ふたたび思うのです。昨日の出来事は本当に現実に起こったことなのだろうか、と。それくらい、僕にとっては夢のような夜でした。
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